ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

好きな人と再会した

文脈

tokidokidj.hatenablog.com

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我ながら長い片思いだと思う。以前書いたとおりで、コロナ禍になってからもう3年くらい経つわけですがその間一切会えていなかった。出会うきっかけになった飲み屋は基本時短営業、僕もちょっとでも力になれればと思ってカンパしたり、極力テイクアウトで利用したりはしていたものの、感染状況を考えて社内にコロナを持ち込むわけにいかないため積極的に利用はしていなかった。ただここ数年は飲食業界の風向きも変わり、今までみたいに朝方まで営業はしてないものの普通に飲みに行ける時間までは店を開けてくれていることが増え、感染対策は可能な限り万全にしてたまに週末などに飲みに行くようになっていた。これまた前回書いたことだが、相手の連絡先を僕は知らないし、なにやら風のうわさで引っ越したみたいなことも聞いていたので正直もう会えることはないんだろうなくらいに思っていた。そんな昨日の土曜日、飲み屋のマスターから「釣りに行って釣果がよかったからみんなで刺盛りパーティーしようよ」と誘いをもらった。僕は週末に片付けようと思っていた仕事に取り掛かっていたため、一段落したら向かうと返信をして一心不乱に仕事をしていた。さっさと片付けて常連連中とささやかな会話をしながら魚を食べられたら楽しいだろうな、くらいにしか考えていなかった。20時過ぎに大体及第点くらいの状態まで仕上げられたため、これから向かいますと連絡を入れて15分ほどの道を歩き出した。

店についてドアを開けると案の定常連連中が飲み始めており、やっと来たかーと声をかけられた。さーせんさーせんなどと返答しつつ上着を脱いでいたら、後ろから「ご無沙汰してます」と声をかけられた。聞き覚えのある声に振り向くと、そこには彼女がいた。

すごい音で心臓が鳴ったと思う。あまり表情に出ない方なので周りには気づかれていなかっただろうが、多分本当に一瞬息が止まった。さも冷静ですよという顔をしていたが、たぶん普段より倍くらいの量を喋った気がする。周りの人間には既に酒が入っていたのでこれといって注目されていなかったが危なかった。油断ならない。

彼女とはいろいろな話をした。コロナで縮小していた仕事が再びかつてと同じくらいの量に戻ったこと、近所のTSUTAYAが潰れたのでついに動画サブスクサービスに加入したこと、酔っ払って階段に脛をぶつけて痣になったこと、引っ越しはしたがむしろ店の近くに越してきたこと。相変わらず凛とした笑い声だなと思って聞いていたが、最後の項目が非常に重要だった。彼女から聞いていたかつての住んでいた街は、店を挟んで僕の自宅とちょうど真逆だった。しかし引っ越しをした結果、店と僕の自宅の中間地点くらいの位置に住んでいるとのことだった。最寄り駅が僕と同じだと。僕は「なんだ、知らないうちにいままでよりご近所になったんですね」と笑ったが、あの笑顔はおもしろかったから笑ったのではなく嬉しかったから笑ったんだと自覚している。その後、舞い上がって飲みすぎて、帰りは途中まで一緒に歩いたのにまた連絡先を聞き忘れた。しかし今朝は後悔よりも「いままでより会える可能性が高いんだから急ぐ必要はない」という気持ちが勝っていた。

それにしても困ってしまった。基本的に外に出る場合、わりとちゃんと着替えてから家を出るのが僕の日常なのだが、いままで以上にちゃんとした格好をしないとおちおち外を出歩けない。なにせ、適当な格好をしているところを彼女に見られたくないからだ。日常生活に張りが出てしまう。そういえば、もうすぐ春だもんな。