ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

『8番出口』観た

アマプラに入ってたんでシリーズ。ついにここまで来たか。僕も一応ゲーム開発者の端くれですし、めちゃくちゃ話題になったタイトルなので原作ゲームは存じております。といっても一番話題になってたころじゃなくてSwitch版が出てから買ったんだけど。そんな『8番出口』の映画版ですが、当時映画化の話を聞いたときの雰囲気、いや少なくとも僕は「さすがにキツくない......?*1」って思った。なので当然のごとくスルーを決め込んでいたんですが、いざ公開されてみると意外と評判が悪くないのと、原宿さんが「ちゃんと意味がある作り方をしていたのが好感持てる」的な評をしていたので徐々に気になりだし、アマプラ入りによって「観るか」ってなった次第。


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聴き返したけどバゲットキャンセル界隈の回かよ。つながりがなさすぎる。それはまあいいや、映画『8番出口』です。結論から言うと実際結構よかったです。というのも、原作『8番出口』は「ウォーキングシミュレータ」という説明で発売されたけどわりとちゃんとホラー要素があり*2そういう演出も含めて完成度が高かったんだけど、その「不穏さ」をかなり強調してエンタメにするという手法がちゃんと原作のよさを尊重しているなという感じがしてよかった。主演が二宮和也というのも客寄せパンダじゃなくて「ちゃんとした役者」を選んでいるし、なにより河内大和さんが怖くてよすぎ!二人が出てるの知ってたのに観るまで「VIVANTコンビじゃん!」って気づかなかった。あと小松菜奈、世界で一番好きな顔をしている女性なので単純に嬉しかったです。

最序盤の電車で泣く赤子の母親にキレるリーマンでかなり嫌な気分になってからスタートし、しばらく一人称視点で原作再現を行なってキャラ名(?)をドン!はかなりアガったし、異変の出し方や演出*3、現実だったら「まず写真撮って記録しようとするだろうな」という納得感などはかなり映像的な最適化がされていたと感じた。逆にゲームであそこまでやられるとちょっとダルく感じる人もいるだろうから、原作ゲームのいいところを映像作品に落とすならたしかにこうだろうなとわりと感動してしまった。唯一、おもしろいなと思ったけどそれをやりだすとキリないぜと思ったのがおじさんも迷ってる設定だった。たしかにそのどんでん返しはおもしろいし、90分という時間を持たせるにはそれくらいのインパクトは欲しくなるんだけどもう入れ子構造がすぎるというか。まあでもこれは個人的な感想で、不条理ホラーとか説明のつかない恐怖*4はわりとわかるからこれはもう好みの問題だと思います。それ以上に嫌だったのは隠喩はハッピーエンドの兆しであったほしかったところかな!*5こっから先はなんにも言えねえが!ガハハ!

川村元気という人については非常に尊敬しているんだけど思うところはあるというのが今回もはっきりと感じられた。それでいて、これが作れるのはシンプルにすごい。その感想の上でやっぱり「ちょっと思うところはあるな」という感想でした。人間や作品に対してそんなに一辺倒の感情なんて持てないからそりゃそうよ。唯一この映画ですげえなって一辺倒になれるのは「すごい役者はすごい」です。まあシンプルに二宮和也がすげえですね*6。河内大和さんも小松菜奈さんも花瀬琴音さんも浅沼成さんも「マジかよ」って思っちゃいましたね。それくらい演技力が高い。思ってた以上に入り込んでしまったが、これが多分なんの前評判もなしに同じ感想を持てたかわからんのやな〜。一応自分自身の芯は持ってるつもりなんだけどどこまで人の影響下にあるかはわからんね。小説版も気が向いたら読んでみようかな。そういうの抜きにしても、思ってた以上に楽しめた映画でした。

8番出口

8番出口

  • 二宮和也
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*1:ストーリーがないしというのと「流行りモンでビジネスしたい」という気持ちがあけすけというダブルミーニング

*2:ていうか「異変があったら引き返す」という設定自体が結構ホラー

*3:ネズミとジャンプスケアは「?」でした

*4:オモウォ3人が言ってた文脈、リミナルスペース的な「わからん」恐怖の話

*5:「僕はそう解釈した」というだけです

*6:ほとんどワンシチュエーションでも全然飽きない演技ができるのが

散歩駆動開発

最近開発のほとんどの作業をAIにやらせている。もちろん仕様を切るのは僕だし、何を作るべきかを考えるのは僕なんだけど、「これどうしよかっな」みたいな粒度でもAIにぶん投げて筋が悪くなかったら採用していたりする。そんな中でここのところリモートコントロールという選択肢を覚えてしまい、これが大変に便利であるということに気がついてしまった。端的に言うとモバイルからAIを動かせるという話なんだけど、散歩中に自宅にあるMacBook Proへ指示を出せるというのがあまりに便利で最近はずっとこれで開発を進めている。またここで相性がいいのが散歩である。仕様を考えるときとか、ビジネスモデルを考えるときに散歩という行為は非常に適していて、体を動かすがプレッシャーはさほど無いというバランスのよさがかなり脳みそにも身体にもよい。

こんな感じで指示をしている

基本的には歩いているときに考えて、信号とかで止まったタイミングでClaudeなりChatGPTなりに指示をするというフローがだいぶ身体に染み付いてきている。考えたことが歩いている間に実装されていて、自宅に帰るとソフトウェアがある程度できあがっているという体験はかなりおもろく、でたらめだなと思う。なにか作りきったタイミングで「完成」と定義するなら、完成が近くなってくるともはや僕がやることは手動デバッグくらいで、これじゃあどっちが主たる開発者なんだと疑うくらいにいろいろなことを勝手にやってくれる。仕事でゴリゴリ使うのは当然として、個人開発みたいなところも含めると本当に一日中AIを対話をしているが、散歩をベースとして開発が回せているのはかなり楽しい。ただ昨今サイバー攻撃による情報流出とかもかなり目立っているので、あくまでソフトウェア開発に携わる人間として引き続き危機感は持っておきたい今日このごろ。

芦沢央『夜の道標』読んだ

芦沢先生の作品読むの結構久しぶりだな。『汚れた手をそこで拭かない』以来?なんならあれもAudibleで聴いたから書籍で読むの初めてかも。すごいな、芦沢央を通ってこなかったんだ僕。

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あの手の指す方へ行けば間違いないと思っていた―― 一九九六年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。 早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から二年経った今も、足取りはつかめていない。
殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受け、半地下で暮らす殺人犯から小さな窓越しに食糧をもらって生き延びる少年。それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。

あらすじの時点で既にだいぶ嫌だぜ。事前に断っておきますが、時代背景もあって優生思想や境界知能に対する直球の表現が出てきます。センシティブな話題なので気にする人は離れた方がいいかもしれない。

まあ内容は上記あらすじの通りなんですがまず子どもがしんどい目にあっている話というのが嫌すぎる。まずこの波留って小学生がきついんだよな。実の父親に当たり屋行為を指示されて辻褄を合わせるために引っ越しするから仲のいい友達ができても別れが待っているという。でまたこの街で出会った桜介という友達がいいやつなんですよ。小学生らしいちょっと足りてない思考力*1とまっすぐな正義感で。そんな波留と桜介を中心に、2年前に発生して未解決のままの殺人事件が動き出していくという話です。なのでしんどいし人も死ぬし報われないやつも出てくるし読んでる最中は基本的にずっと暗い。あくまでストーリーラインが暗いだけで文体は軽やかだからそこまで気が滅入るわけではないんだけど「なんだかなあ」って思って読んでいた。まあこの小説のすごいところは話が一気に動き出すと異常な爽やかさを帯びて最終妙にすっきりと終わるところですね。ハッピーエンドとは言えないがわずかでも救いはあった、みたいな。阿久津は阿久津であの結末でよかったのかもしれない。もともと積極的に逃げているわけでもないし、自分のことを理解してくれるわけではないが信じてくれる人間と出会えたんだから。まあそういう意味では長尾豊子が一番報われなかったかもしれないな。

そう、これ感想書こうと思って調べて知ったんだけど実写ドラマ化してるんですね。わりとハードな漏れ場あるけど大丈夫なんすか? まあWOWOWかなんかのドラマで地上波で流れないなら大丈夫だろうけど。もし観られるならドラマも観てみようかなと思ったけどジムだと気まずくなりそうだったら家で観るか~。

*1:善意の提案でもそれが相手を一番傷つけると気づかない、など

絵を買った2026秋

相変わらず若手画家が絵を売っているとなるべく買っています。もちろん気に入ったから買っているわけで無作為に買っているわけではない。今年はわりと相場感が高め*1だったんだけど気に入ったものがキャンバスアート2点、グッズ1点を買った。今年のトピックスとしてはキャンバスアートで手書きじゃない作品を買ったことですかね。手書きじゃないというのは文字通りで、CGアーティストの方の「ローカルLLMを使ったプリント作品」を買いました。こと絵とAIというと燃えている印象の方が強いですが、自作PCで自作LLMを使って制作したというエピソードを聞いて、こいつぁ気合が入っていると感嘆。実際かなりCGアートとAIって親和性があると思っていて、CG特有の「現実感のなさ」と生成AIの持つ「不気味の谷感」がちょうどいい塩梅で混ざるというか。昔「やっぱ写真はフィルムの質感じゃないと」って思ってた頃に「デジタル写真は現実感を抜きたいときにはむしろ向いてるな......」って気づいたときの感覚に近い。表現方法ってのも常に進化して行くと思っているので、今後も適切な付き合い方で新しい表現方法を楽しんでいきたいものです。

部屋の壁、本棚含めてかなり好きな感じに仕上がってきてうれしい。最近は今までのスーパーハードワークスタイルから「結構早い時間にあがって自宅でのんびり続きをやる」みたいな働き方をしているので部屋がいい感じだとモチベーションも上がっていいですね。今までに買ってきた若手画家のその後*2も追いかけたいなという気持ちもある。弊社もいつか画家にコンセプトアートを発注できるようなビジネスができたらいいな。なんにも思いつかないけど。

*1:数千円レンジのものがあまりなかっただけで高くても10万くらいだから高すぎるわけではない

*2:続けていてくれたら本当にうれしいと思う

ハヤシライス研究という活動

なんか最近急に「ハヤシライス」というものの価値に気が付きまして。昔は「なんだよカレーじゃないのかよ」ってがっかりするメニューだったんだけど、歳とったら「ハヤシライスって妙に美味くね?」となった。あと多分赤ワインに合うから好きなんだと思う。

そんなハヤシライスですが、いわゆる「カレーマニア」って結構いるイメージなのに「ハヤシライスマニア」ってあんまり聞かないじゃないですか。じゃあやったろの精神です。ただわりとのんびりとメニューにハヤシライスがある店を見つけたら行けるときに行く以上の頑張りはしてない。まあどんなものでも無理したら続かないので。 最初に行ったのは西東京で3店舗だけあるチェーンの喫茶店「武蔵野茶房」のハヤシライス。ちょっと用事ででかける機会があり、ハヤシライスあるし寄れる時間あるなと思っていった。ちょうど少し前にアイスコーヒーがツイッターでバズった*1喫茶店ですね。

初手

雑穀米でデミグラスソースも優しめなので女性ウケはよさそう。当たり前だけど味もちゃんと美味しいです。惜しむらくは武蔵野茶房には酒がないことかな!と書いている最中で調べて知ったんだけど店舗によってはあるらしいです。僕が行った店舗にはなかったというだけらしい。大変悔しい。まあそういうこともありますよ。ハヤシライスは美味しいから罪はありません。

最近行ったところだと銀座のレストランあずま。いわゆる街の洋食屋さんって感じでめちゃよかった。近所の人とか近くで働いている人が来てるようなところでアットホームでよいです。ハヤシライスはカツのせが有名らしいんだけど僕は一旦ノーマルのものをいただきました。そうそしてこの店は昼からワインが頼める!*2

とても美味しい
ハヤシライスはデミグラスソースがかなり濃厚でどっしりとしていて旨味が強い。こんな美味いもの他にないのでは?と若干思うくらいに美味しいです。ホロホロになった牛肉の旨味と、野菜は玉ねぎが意外と食感残っててアクセントになるしずっと「おいし~」って思いながら食べてました。

本当はもう一軒食べた記録があるんですがあまりに自宅近所すぎてお前ここらへん住んでんだろって特定が容易になってしまうので載せません。今後も手に届く範囲で食べていきたいですね。ハヤシライス、かなり伸びしろがある。

*1:氷もコーヒーでできてるやつ

*2:あとスープも付いてきます

『プロパガンダゲーム』観た

例のごとくジム視聴です。もともと原作小説は読んでたんですよね、これ。

原作はオチにもっとパンチが欲しかったところがあったんだけど、大前提としておもしろく読んでいた。ので、まあ知ってる話だからあえてドラマで見直すかねとも思ってたんだけど1話24分程度でジムでの有酸素運動中にいい感じではまりそうな時間だったため観ました。個人的にはドラマ版はかなり観やすいのでわりとおすすめです。

  • 若手役者が頑張っていた
    • 越智小夜香が原作よりさらにキャラ立っていてよかったすね
    • あと国友も
  • しかしなんといっても石川がよかった
  • 時代的にかなり積極的に生成AIが使われていたと思うんだけどあれちょっと嫌だったな
    • 生成AIを使うことがイヤなんじゃなくて「それをそのまま使っている」というのが嫌なんだと思う
    • プロの仕事を見せてほしいんだ僕は、的な意味で
  • 全体的に緊張感はありつつもかなり気軽な感じで観ることできるのがよい
  • 音楽だけなんかもうちょっとハマるところがあればよりよかった
    • 悪くはないんだけど少し安っぽい印象になってしまったというか
  • あとアイドル設定って原作にもあったっけ?
    • なんか親近感わかせるためのアイドル施策、みたいな描写はあった記憶があるんだけど、あんなにド直球だったかがちょっと思い出せない
  • ラストのモデルガンは最高

基本的にそこまで原作から膨らませてないから原作読むだけでもいいと思うけど、個人的には結構「観やすい」って重要だと思ってるから先に映像から観るを人には勧めるかもな。めちゃくちゃ刺さったわけじゃないけど、それくらいには気に入った作品でした。そろそろまたジムで観るようのストックがなくなってきたので適時探していくが、やはりそろそろU-NEXT移行も検討せねばならんかもしれない*1。

*1:単純にコスト圧縮と観たいものが比較的見つけやすいので

『おーい、応為』観た

引き続き映画を観ております。ドラマも観てるんだけど映画は2時間1本勝負みたいな感じで終わらせやすいんだよな。それはそれとして応為の話。僕は葛飾応為の話が大好きなんですよね。きっかけは朝井まかての『眩』を読んだのが原体験なんで、僕の中の応為像はかなり『眩』に寄ってます。

主演は長澤まさみ、さすがの演技力。大谷亮平の初さんもすげーいいんだけど永瀬正敏がかっこよすぎてそれだけで終了です。圧倒的にかっこいい。やっぱり北斎は癖強頑固画狂老人であってくれをまんま体現してくれているのが素晴らしい。そして人間としてはクズ。前述の通り僕は『眩』の応為像がかなり自分の中で強いんだけど『おーい、応為』に関しては結構応為の「女性性」みたいなところが強調されている感じがして新鮮な体験でした。そりゃあ女性なんだからそうだといえばそうなんだけど。応為襲名の瞬間もあって新鮮でした。個人的には応為がキセルの火種を画に落として禁煙を宣言するくだり(たぶん史実)が入ってたのがよかったですね。あと善さんになびかないエンドもあるのね。この辺は史実にないことかもしれないから解釈はいくらでもあるだろうけど。あとはなんといってもさくら(犬)がかわいすぎる。くちゃくちゃの子犬だった出会いから立派なきれいな毛並みに成長していることで時間の経過を表現するのめっちゃくちゃよい*1。好き勝手生きている北斎の書き方はめっちゃ好きだったからすげーよいし「好き勝手生きろ」っていう北斎もいいしそれに答える応為もめちゃいい。

なんていうかバチクソにおもろいってわけじゃないんだけど「日本映画のこういうところはいいよな」って感じで終始ほっこりしながら観てました。ラストはわりとあっさりめだったけどそれも含めてききらいじゃなかったです。わとり人には勧めるかも。まあ途中で女性の上裸シーンがあるので勧める人は限られるけど。

*1:年号もしっかり出るけどここは和暦の方がよかったんじゃないかとは思う