またも最恐小説大賞受賞作から。こちらは短編連作です。精神病棟専門の病院で警備員をしている青年が主人公の短編で、全十編が連なっている物語。それぞれの短編はわりかしストレートなホラーで、夏休みとかに深夜ドラマ化されててもおかしくなさそうな「ちょうどいい感じ」の怖さになっている。個人的には普通にそれぞれの短編が好き*1で、最後のオチみたいなのは正直そこまで刺さらなかった。というか「ドッペルゲンガー」あたりで、さてはこいつもイカれてやがるな?って感じがしたためある程度読み切れたような感じだった。ただとにかく短編としてサクッと読めるし、前述の通り「夏休みに深夜ドラマでやりそうなちょうどよいホラー感」があるので、純粋にホラー読みたい人にはよいと思いますよ。装丁だけもうちょっと手に取りたくなるキャッチーなやつだともっと広まったんだろうな*2。