仕事をもらっている身からすると「切り出したいけど、なかなか言いづらい提案」をしなくちゃいけないときがやってくる。そういった場合に、双方いかに満足感を高めつつ自分の言いたいことを言うかというところでいい経験を得たのでまとめておく。
言いづらいこと
例えば、定期的に発注してもらってる案件についてそのリソースを他所に当てたくなったら「仕事もらってる側だけど、断らなくちゃいけない」状況になるし、相手方は発注する気まんまんになってくれてるけど「条件が飲めないからお断り申し上げなくちゃいけない」状況というのはままある。あるいは他所様の会社のことだけどミッションの達成/成果の最大化をするためには少し突っ込んで言わないとな、という状況。
今回は2番目の例で得た知見。当初の話ではいい内容だったので協力できないか調整していたが、その中で時間が経つにつれて*1最終的に「うちではその条件飲めんな......」となってしまったケース。
目的をはっきり伝える
断りたいという場合は無駄に理由を並べるより先に、まず断りたいという意志を表明する。もちろんお詫びの言葉や、なぜ断るのかという理由は説明するが、詫びや説明をくどくど書くよりも「すみませんが現時点では受けられません」と意思表示する方が素早く話が伝わる率が高くなる。理由の提示は座組/状況によって言える言えないがあるので必須ではないが、個人的にはやはり好意に対して報いれない礼儀としてなるべく伝えておきたい。詫びも同様。だが、相手の心象を悪くしないための蛇足な言葉は誰のためにもならないのであえて控えた方がいいかもしれないと思ってきた。
詫びかたは常識の範囲内で
上記とややかぶる話。応えたいけど応えられないときには罪悪感がつきまとうが、過剰に詫びても特に意味はない。むしろそんだけ申し訳ないと思ってんだったらなんとかしろよと相手方が思ってしまったら*2お互い辛くなるだけなので、詫びるべきところは詫びる、詫びるべきではないところは詫びない(あくまで「謝罪の言葉を重ねりゃいいってもんじゃない」という話)、この線引をして対等な関係で話をした方がいい。
むやみにメリットを並べない
「こうやるよりも、もっと〇〇の方が御社のためだと思いまして」的な切り出し方は、聞こえ方としてはとてもいい。だが、本心でそう思えないのに「相手方にメリットを提示して目線をずらす」というのはあくまで自分都合の提案でしかないので、上手くいくかどうかは運任せといっても過言ではないだろう。それよりも相手から求められることを受けられない自分の都合をきちんと話した方が、後の関係性を考えても有効なことが多いのではと思った。
あくまで対等に
お客さんにはなるべくいい思いをして欲しい。だけど自分たちの譲れない部分も必ずある。それであればやはり一方的に滅私奉公をするのではなく、「相手にとってもよくて、自分にとってもよい」状況をなるべく作れるように努めたいところだ*3。頭は下げるが自分たちのことを卑下しない、相手は上げるが持ち上げて神輿担ぐようにはしない。人と人の関係を保ちつつ、伝えたいことがなるべく純度の高いまま相手に伝わるように努力をすると双方のためになるのではなかろうかという知見だった。