ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

正論を言うのはタイミングが重要

先日のことだが、仕事をしていてすごく怒っている人がいた。怒ってる人が近くにいると精神衛生上よろしくないのでとりあえず怒っている理由を聞いてみたが、原因は「別の人がした仕事がよろしくない」というものだった。しかし話を聞く限り別に怒るような内容でもないし、ほとんど勘違いに近いレベルのことのようだが本人はどうにも許せなくて怒っているらしい。さてどうしたものか、さくっと経緯を整理して落ち着かせようかと思ったところ、どうやら怒らせてしまった人は正論で経緯を説明しているようだった。怒らせてしまった人が言っていることは正論だし、経緯も説明しているし、冷静に考えれば別に怒るようなものでもない。なのになぜ怒りが継続してしまっているのか考えてみたところ、「頭に血が登っているときには正論を言われても聞き入れる余裕が無い」状態に陥っているのではないかという結論に至った。

頭に血が登っているときには正論を言われても聞き入れてもらえない

人間は不安定な生き物なので、「感情の昂ぶり」というものだけで普段できている判断ができなくなることがある。さきほど「冷静に考えれば別に怒るようなものでもないのに」と書いたが、まさに「冷静に考えられない状態だから怒っている」のだ。ましてや気持ちが昂ぶっている時に真正面から正論を言われても「頭ではわかるけど気持ちが収まらない状態」になってしまうのではなかろうか。正直、こういうケースは自分にとっては心当たりがある。全ての人が自分と同じだとは思っていないが、そんなに特別な事例ではないのではないかと思う。

自戒を込めて、ではどうしたらきちんと相手の正論を受け止められるようになるだろうかを考えたところ、単純に「冷静になるまで待ってから話を再考する」のが一番効果的だと思った。感情が昂ぶってしまっている人がいたら、一旦は丸く収めて冷静になったタイミングで正論を言ったほうが遥かに効果がある。怒らせてしまった人も、相手が怒っていたら焦ってすぐに訂正しようとするだろうし、怒っている人の言っていることに反論をする場合だってあるだろう。しかし、相手の感情が昂ぶっているときに理路整然と話をしたところで伝わらないのであれば、まずは一言謝罪でも入れて落ち着かせてしまった方がいい。その上で相手が平静を取り戻したら自分がしたことの経緯や理由をきちんと伝えて、「気分を害してしまったのは謝るけどこういう理由だから自分のやったことを認めてほしい」と話をした方がきちんと状況を認識させられるのではないだろうか。

お互いの無駄な労力を削るためにもタイミングが重要

怒るという状態はエネルギー消費が激しい。ましてやそれに付き合わされる方は本来かからなくていいエネルギー消費まで被ってしまいかねない。水掛け論なんていうのは双方怒っている状態のようなもので、結果特になにも産まないのにひたすらにカロリーを必要とする。そんな無益なことにエネルギーを使うくらいであればまずは感情を落ち着かせるために力を使い、その後に状況を整理した方が前に進みやすくなる。もちろん、怒らせてしまった人は何も考えずに謝れというわけではない。自分がしたこと/言ったことが正しいことであれば、「言わない」のはかえって良くない。ただ、言うタイミングが重要というだけだ。

ちなみに

導入で触れた怒った人はお昼ごはんを食べたらだいぶ気持ちが落ち着いたようだったので、「あの人はこういう理由であの仕事をやったそうですよ、そしてあの仕事はああするのがむしろ正しい対応だと僕は思いますので、まあそんなに怒らないであげてくださいよ」と話を振ってみた。本人も思うところはあったようで、後ほど怒らせてしまった人のところに行って「僕もちょっと言い過ぎでした」と謝っていた。感情の起伏は激しいが、理性的に考えられる人でよかったなと思う。