ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

リモート稼働時は不用意な代名詞を避けた方がいい

自分自身もリモートで稼働しているし、他のメンバーにもリモート稼働者がいるチームでの話。どうしてこんなに齟齬が発生したりのだろうとストレスを強く感じていたところ、基本的に問題になっていたのはチャットでの発言で代名詞を使うことによって齟齬/何を指して発言しているのかわからない状況が生まれやすくなっているという結論に至ったのでその忘備録。

危ない代名詞

代名詞というとちょっとくくりが広くなってしまうので、もっと限定していうと指示代名詞が危ない。「それ」とか「あれ」とかが特にそうだ。これはビデオチャットなど、音声を介してコミュニケーションを取っているときはあまり発生せず、テキストベースでのコミュニケーションで顕著に発生すると感じている。例えば下記のような例。

from A 12:00
Bさん、○○の仕様って△△の理解であってますか?□□の場合は対応考えるので教えてください。
from A 12:05
あと、矢継ぎ早に申し訳ないんですが☓☓の件はこちら側の対応完了しているのでそちらのステータス教えてください。
from B 12:15
それなんだけど、ちょっと迷ってるので少し時間ください。

少し乱暴だが、上記のようなやり取りがあった場合に、Bさんの指す「それ」は「○○の仕様について迷っている」のか「☓☓をどう対応するのか迷ってる」のかがわかりづらく、結果もう一往復のキャッチボールが必要になる。コミュニケーションの手間を減らすには

from B 12:15
☓☓の件なんだけど、ちょっと迷ってるので少し時間ください。

と答えた方がコミュニケーションコストがかからずに済む。「それ」とか「あれ」で本人はわかっていても、伝える相手方にとって複数の解に繋がってしまう受け答えは避けた方がいい。細かなコミュニケーションの手間が積もり積もって大きなストレスにつながる可能性があるからだ。

質問者は上から、回答者は下から回答しがち

例文で「Bさんが指しているのは☓☓の件だった」という答えにしているが、これも経験則で「テキスト(チャットのメッセージ)を読んでいる人は下から読むことが多い」というものから来ている。しかし、質問した人間からすると最初に送った質問に時系列順に返事がくるものだと思っているケースが多く、こういったところで齟齬が生まれやすい。先程「ビデオチャットではあまり発生しない」と書いたのは、ビデオチャットでのコミュニケーションは双方がリアルタイムに言葉を交わせるため、「それ」「あれ」が二人の現在話題にしているものに絞られやすいので齟齬が生まれにくくなる。しかしテキストベースでのコミュニケーションにおいては「リアルタイムがリアルタイムでないケース」が発生しやすいから齟齬が発生する原因となる。指示代名詞を使うのであれば、どの質問に対しての回答なのかメッセージリンクを貼る*1だけでなんのポストに対しての回答なのかが明確にできるため、積極的に使っていったほうがストレスも齟齬も少なくなる。

思った以上にコミュニケーションは難しいものだという前提で動いた方がいい

以前も書いていたくらい、伝えているつもりでも伝わっていないことは多く、伝えられていないことが多いのでコミュニケーションというものは難しい。

tokidokidj.hatenablog.com

手間を減らしたいからチャットを使っていてもそれの弊害があることはきちんと理解して動かないとどんどんチーム内で無用なコストが嵩んでいく。そしてそれは人間関係やプロダクトの数字に直結してくると、重めに考えておいて損はない。基本的に「伝える」ということは「自分の伝えたいことを伝える」のではなく、「自分の伝えたいことを相手に伝わるように伝える」ことが重要だという認識が必要だ。僕らは不完全な存在だからこそ、お互いがお互いのことを考えながら動かないとどんな歯車も軋みだす。それを忘れずに今週も頑張っていこう。

*1:slackだと楽でいい、chatworkとかだったら返信機能や引用を使ってもいいと思う