倉野憲比古先生の『弔い月の下にて』が書店にあるかなと探しにいったが発見できず、たまたま文庫のコーナーにあった芦花公園先生の本書を手にとって購入したという流れ。前作の『異端の祝祭』と同じく、佐々木るみ/青山幸喜率いる佐々木事務所がストーカー被害に悩まされる絶世の美男片山敏彦の依頼を解決するお話。単なるストーカー被害かと思いや徐々にこの世のものとは思えない体験になっていくところとか、絶世の美男がナチュラルに一般人を狂わせる様が趣深いです。あとは伏線が丁寧なのでわりと序盤から「ははーん、あいつが怪しいな」というのがすぐわかり、そのままそいつが犯人*1だったというところまでスピーディに物語が展開していく。途中出てくるキーキャラのミキちゃんも「やはりそういうことだよな」という理解度の加速に繋がるところも個人的には美しいと思った。あとは物部の人間らしいところや、佐々木るみのさらなる過去回想で解像度が上がる一方で結構しんどい*2なーと思ったりもした。とはいえ、ページ数も300pくらいでサクッと読めるし、エンタメと悲惨さのバランスがちょうどよくて、かつ『異端の祝祭』よりも能力バトル感が少ない*3ので1日で一気に読むくらいには楽しかったです。『異端の祝祭』読んでからぜひ読んでください。
ただこれだけは絶対書こうと思ってたんだけど、芦花公園先生!最後あそこまでやる必要あったんですか!?やりすぎなんじゃないんですか!!!!!?????*4