ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

技術継承の難しさ

先日たまたまwebで情報を見かけて写真展に行ってきた。僕が卒業した大学の写真部の展示会で、モノクロフィルムによる作品のみというコンセプトの展示。ちなみに僕は10何年以上前に部長をやっていた。多分OBリストからDM送ってくれてるんだろうけど実家に届いちゃうからたまたまwebで見かけられてよかった。

僕が部長を務めていた時代ですら「モノクロフィルムの自家現像、かつプリントや板張りを自分たちでやるなんて気合いが入ってる」と言われるような部活だったんだけど、やっぱり技術の継承ってのは難しい。当時からほとんどの部員が「写真部に入って初めてモノクロフィルムで撮る」という状態で、勝手のわからないモノクロでの表現を積んでいくうちに学年で一人くらい「猛烈にモノクロフィルムにハマって、目がよくなる」という人間が生まれ、そいつが部長を引き継ぐ*1という流れだった。ただ今回の展示では「モノクロの表現」としては正直「もっと追い込めるな」と感じてしまった。おそらくモノクロの表現について指導*2できるようなレベルの人間がいなくなってしまったんだろうな。ただこれは時代的にも結構しょうがないと思っていて、僕が在籍していた頃は富士フィルムのACROSやコダックのT-MAXが24枚撮りなら300円台で買えたので、撮れる数も焼ける数も全然違う*3。今フィルム買おうとしたら平気で36枚撮りで¥2000超えて来るので学生がガンガン撮るのなんてもう無理だと思う。モノクロ写真は、とにかく数を撮って、とにかく数を焼いて、とにかくたくさんのよい写真を見ることでしか力がつかないからそれを今の時代にやるのは並大抵のことじゃない。なのでとにかく僕は「あの汚え部室の暗室を未だに使ってくれてありがとう」という気持ちだけ持って、特に身分を明かさずに素敵でしたというコメントだけ帰りました。モノクロ写真はの未来はどうなるだろうか。見守っていこう。

*1:自分で言うのもあれだが僕もそのタイプだったので部長をやってた

*2:あくまで先輩が後輩に、程度のものです

*3:印画紙は思ってたより値上げしてなかったけど