ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

最近読んだ本

2022年に読んだものも含む。同じタイトルのエントリが複数並ぶのあんまり好きじゃないからなんらか命名規則を決めて運用していきたい気持ちがある。

中山七里『セイレーンの懺悔』

前に「読んでる」と書いたが読み終わったので。最終結構楽しめたなと思う。誤報のあたりで胸がぎゅうっとなって結構しんどかったくらいには入り込めたし、両親のインタビューの時点で犯人は読めた。最後の胸糞展開まではさすがに読みきれなかったので作者の方が一枚も二枚も上手でした。あと巻末の池上彰のコメントもよかったですね。

阿澄思惟『禁祀: occult』

洒落怖くらいの感覚で読んでた。『忌録: document X』にあった謎解き要素みたいなのはそこまで感じなかったが、お話全体がゆるゆると繋がっている感じ*1がしてよい。なぜか作中表示だとタイトルの「occult」が大文字になってたりするのなんでなんだろうね。「御光」関連のところが特におもしろいなーと思って読んでいたんだけど、「御光」が『忌録: document X』の『光子菩薩』に繋がったりするんだろうか。Amazonでの評判はあんまりよくないっぽいけど僕は好きでした。

知念実希人『祈りのカルテ』

なんとなく作者が「Twitterで賑やかな人」という印象で、あまり読もうと思っていなかったけどkindle unlimitedにあったので読んだ。あと小島秀夫監督がTwitter上で作者の別作品を挙げてたというのもある。研修医である主人公が様々な診療科で患者の隠された側面を解き明かしていく医療とミステリ*2。普通にいい話でした。ドラマ化しやすそうだなとおもったら2022年10月にドラマ化していたらしい。Huluで観られるそうなのでいつか見ておこうかな。まあいい話だが「研修医がこんな急に探偵みたいな喋り方になったら多分笑っちゃうな」とは思った。エンタメ小説なのでそれでいいんだけど。

恒川光太郎『夜市』

この世とあの世が交わる、妖怪たちのなんでも揃う夜の市場を描いた『夜市』と、本来普通の人間は通れない神々や妖怪たちの通り道を描いた『風の古道』が収録されている。怖い、というよりは哀しい話だが読後感が妙に爽やかで、これはすごいなと唸った。両方ともハッピーエンドとは言えないのに、こうするしかないかという納得感があるため爽やかさを感じるんだろう。あと基本報われない。作者の方のwikipediaを見てみたら武蔵野出身の方なのね。どおりで武蔵野周辺の描写が自然なわけだ。

K.M.ワイランド『アウトラインから書く小説再入門』

別に小説を書いているわけではない*3がなんとなく読んだ。これはハウツー本なので感想とかは特に無いけど「ちょっと書いてみよっかな」とはなった。二次創作からはじめましょうかね。

*1:ちゃんと検証しながら読んだわけじゃないので違うかもしれない

*2:といっても基本的にはハートフルな結末を迎える

*3:過去何回か「書いてみたい」と表明したくせに一向に手を出してない