全然読めてない。ずっと聴いてるな最近。そういう意味ではAudibleをちゃんと活用できていると言えなくもない。あとすみません、著者の方ずっと「いのうえしんぎ」さんだと思ってたんだけど聴いて初めて知りました「いのうえまぎ」さんだったんですね。大変失礼しました。
もともと『その可能性はすでに考えた』シリーズで結構気に入った作者さんだった&再生時間がちょうどいい感じ*1だったので聴きました。 お話としては初手が『THE FIRST SLAM DUNK』かいってなってちょっと辛かった。辛いというのは悪く言いたいのではなくて「悲しい話からスタートだ」となったという意味。
あらすじは、ざっと以下のような感じ。幼い頃兄を海の事故で失った主人公がドローン開発会社に勤めるようになって、仕事先で高校の同級生に再開する。同級生は高校生時代に交通事故にあって自身も足に障害があり、同じ事故にあって失語症になってしまった幼い妹と暮らしていて、暮らしている障害者支援都市であるスマートシティ*2が震災にあう。幸いにも同級生は無事だったものの、ドローン開発会社所属の主人公はドローン操縦者として災害救助の立場で被災したスマートシティの救助活動に携わり、スマートシティの象徴ともされる「視聴覚二重障害者」*3の女性の救助を任される。主人公はドローンを操り、果たして「見えない、聞こえない」という被災女性を救助できるのか、という物語。
正直最初は「『その可能性はすでに考えた』シリーズみたいなエンタメ感強い方が好きかも」って思っていたけど、聴いていくたびに「めちゃくちゃおもしれぇ」ってなりました。井上真偽先生、さすがです。あとwikipedia見てて思ったんだけど、事前の調査はもちろんされているんだろうけど、前提として東大工学部という経歴が「ドローン」というものの解像度の高さに繋がってるんだろうな。被災者女性の発見から脱出ルートへの誘導という一本道でこんなにもおもしろいと感じるとは思わなかった。ちなみに途中である疑惑が生まれるんだけど、設定的に同級生の妹のステータスを把握した時点で「こいつぁこう来るな」と予想がたちました。そして救助の段階で起きた別のアクシデントで「絶対こういうことだ」という確認に変わった。一応宣言しておくと、決して「先が読める=優れていない」というわけではなく、「ほぉらぁー!だよねー!」となれて非常に気持ちよかったです。物語の構成力が高いゆえに、その道筋に気がついたときの快感が強い。
あと『その可能性はすでに考えた』シリーズもそうだったんだけど、この方の作品には「嫌いなキャラクターがいない」というのがすごいよくて*4、読んでて全然ストレスがなかった。あえてそういうのは序盤の韮沢粟緒の「一番ウザかった」が結構痺れました。僕、Mではないんだけど*5このセリフはすごく好きで、「こいつしか言っちゃいけないし、こいつでも言いづらいだろうし、でもちゃんと言った」と思ったところが爽快だった。メディアミックス担当者各位、さっさと井上真偽先生作品の契約頑張った方がいいですよ、絶対おもしろくなるもん、と思いました。今回もよい作品でした。
