Squarepusher x Z MACHINES, Impressive Robot ...
こんなのあったんだ。
冒頭の「人じゃないとエモーショナルな音は出せないなんて思ってない」的な言葉には
僕もまったくもって賛成である。
まだ今よりもっと青臭い頃、もともと「電子音楽は人の血が通ってないから好きになれない」
とか思ってたくせに、ある時を境に「人の血が通った音」の方がよっぽど鼻についてしまって
電子音にしか愛を感じなくなった時があった。
だからインストの電子音ばっかり聞いてそれこそが自分の聴いていく道だ、とか
大層だかそうでないんだかよくわからないことばっかり考えてた。
まあ、今となっては別になんでも見境なく聴き漁って、
その中で「自分にとって好き/嫌い」だけで取捨選択してる。
そして今になって思うとやっぱり人の血の通った音ってのは、
電子音楽と比べるようなもんではなくて両方とも素晴らしいものだと痛感してる。
そんな時いつも思い出すのがthe usedのtaste of ink。
The Taste Of Ink - The Used - YouTube
この曲の素晴らしさに気がつくまでは多分6年くらいかかった。
このバンドは電子音に没頭してから、また人の音に回帰するに至ったきっかけの一つ。
リリースされた時(the usedがメジャーデビューした時)は
「Ozzfest 3rdステージに参戦の超期待大型新人バンド!」みたいな触れ込みだった。
当時の僕は吐き気がするほどの低音ディストーションギター以外は軟弱で聴けん!
みたいな時期だったので最初に聴いた時は「ふん、軽い音しやがって」くらいにしか
思っていなかった。
それから数年経ってなんの気なくCDをかけてみたら(結局買ってた)、
死にそうなほど不安定で、青々しくて、汚くて、眩しい音だということに
そこで初めて気がついた。
不安で不安でどうしようもなかった僕に、全部を見返すにはこの焦燥感で
両腕をぶん回して駆け抜けることこそが活路だと教えてくれた。
そんな青い、愛すべき名曲なんだけど、今思春期を迎えている人達はどういう音を聴くんだろう。
僕の思春期は短命だったラウドロック全盛期で、今でもあの頃のことは
瑞々しく覚えてる。
今、思春期を迎えている人たちにもそういう存在の音があったらいいな、
と、ふと感じる春のおっさんであった。