ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

そういえば『告白』聴いたし観た

なにもかも終わった生活をしているので自分のメンタルを叩き直すために書いてる。

アマプラの履歴見てて、そういえば観たしなんなら原作Audibleで聴いておもしろかったから観たんだったと気がついた。ちなみにAudibleだと読み手が橋本愛*1で「ちゃんと抑えてるな」って感じがする。『Nのために』の朗読が榮倉奈々なのとは若干違うパターンですね。

あらすじとしては中学校教師である森口悠子が娘を生徒に殺されて、娘を殺した犯人の生徒Aと生徒Bに復讐を行うという話なんだけども、すべてが最悪でよかった。というか原作があまりにおもしろすぎるし、これがデビュー作って正気の沙汰じゃない。森口悠子は序盤とラストにしか出てこなくて基本的には生徒Aと生徒Bとその周辺人物の話として進んでいく。これがすごい。クラス委員長から森口に宛てた手紙の体であったり、生徒Bの姉の振り返り*2の体であったり、犯人である生徒Bの記憶の掘り起こしというかフラッシュバックのような体であったり、様々な角度から弩級の「最悪」が語られる。森口の初手がまず最悪、生徒Aが生徒Bを裏切る瞬間も最悪だし、生徒Bが狂っていくさまも最悪だし、最終的に生徒Aの執着する根源を消し飛ばすという復讐方法も全部が最悪でよい*3。これは紙の本も買わなくてはと思った。唯一個人的に「?」となったのは委員長とルナシーのくだり。でも本当にそれくらいで、全体のお話のおもしろさレベルが高すぎる。あとあえて言わせていただこう、爆破オチなんてサイテー!*4

そんでもって映画もよかった。以前からずっと気になってはいたんだけど他に観るものを優先してずっと積んでいたものだったので「原作があんなにおもしろいなら観るしかない」と勢いで観た。映画も全体的にずっと暗いトーンで、この原作をよく映像化したなと感嘆してしまった。エンドロール見るまで気づかなかったんだけどさり気なく芦田愛菜*5能年玲奈*6三吉彩花*7も出てたんですね、ウェルテルは岡田将生なので結構豪華キャスト。と、書いてて思ったけど主演松たか子な時点で豪華か。これは日本アカデミー賞獲るわけだわと納得のクオリティでした。そしてこれも川村元気企画なんですね。すごいヒットメーカーだと認めざるを得ない。話が逸れたけど、湊かなえ恐ろしい作家です。あまりに才能がありすぎる。

*1:映画で委員長を演じてる

*2:正確には母親の日記

*3:あとウェルテルが常に最悪手を選択し続けるのも「うえ~最悪~」って感じでよかった

*4:人類史上もっとも最悪で最高な爆破だと思ってるので褒め言葉です

*5:殺害されてしまう娘役

*6:クラスの一員役

*7:同じくクラスの一員役