300ページもないのでサクッと読めます。体感としてもかなり短く、通勤の行き帰りだけでも2~3日で読み切ったような気がする。寝る前もちょっと読んでたけど。とにかくかなりお手軽に読み切れる。東日本震災の話が出てくるけどそれがメインじゃないからトラウマを刺激するほどではないとは思う*1。
高校から海洋大学に進んだ主人公がいざ東北で実習する2年に上がったタイミングで震災が起こり、東北に行けるでもなくモラトリアムを過ごす中で幼馴染の女性と関係を持ってしまうお話。いやこれだけだと語弊があるな。その幼馴染の女性にまつわる謎というかサスペンスとちょっとしたミステリ？みたいな感じ。全体的に「暗い話ですよ」というような設定やギミックはないのに、なんとなくずっとテンションが低い、みたいな暗さがある。ミステリパートでの犯人は正直あまりカタルシスを感じなかったが、序章での話やすべての登場人物がきちんと意味あるという点はよくできているなあと思った。設計能力が高いというか。そこまで刺さらなかった一方で短時間で最後まで駆け抜けて読めたのはよかったと思う。あと中盤あたりからセックスとAVの話ばっかりになってちょっと笑った。インモラルでは全然ないのでそこまで閲覧注意ではないけど、そういうものに嫌悪感がある方はお気をつけください。サッと読みたい人にはよいと思います。
*1:もちろん被災した方は字面を見るだけでしんどいと思うのでご注意ください
