ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

作りたいものと届けるべきもの

ここのところ新規開発の場に身をおいていて、2023年になってもまだ「ぼくのかんがえたさいきょうのげーむ」を作ろうとするムーブを散見している。まあ別にそれで本当に面白くて売れるものが作れるなら文句はないんだけど、往々にしてそういうものは作られない。そんなに甘い世界ではない。誰に対してどんな体験を届けると数字になるのか、そういったことをきちんと理解*1しないで動いている人間がたくさんいて非常にストレスがかかる。ただ、これは実際に新規開発の経験を重ねて身に染みた思いとしないとなかなか身につかないのかもしれない。言葉ではいくらでも説明できるが、それがちゃんと脳と心に染み付くにはどうしても経験が必要なんだろうなと感じる。あと「遊び」というものをどこまで高い解像度で思い描けるか、これは一定センスの部分もあるんだけど基礎体力として意識しておくべきなのに軽視されているように感じたりもする。今後もゲーム業界はいろいろな変貌を遂げていくとは思うが、一人のディレクターとしては今後も基礎体力をちゃんと高めながら届けるべきものを見失わないようにゲームを作り続けていきたいと思う。

*1:ないしは少なくとも自分自身で腹落ちできるまでの検討を重ねる行為を