ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

勘違いしている人間に勘違いしていると認識させるのは難しい

取引先でなかなか現場が混乱しているという話を聞いて、整理してほしいとのオーダーを承った。ただ、聞いている現場の話は地獄そのものだったのに、依頼をしてきたマネージャラインはわりと楽観的なトーンで話していたので実像がつかめないでいた。

蓋を開けてみたら、たしかに混乱はしているものの特段深刻な問題はなく2~3人にインタビューして改善案をまとめたらすぐに正常化した。こうやって書くと仕事としては難易度の高くない事案だったというだけなのだが、もっと面倒な後始末が残っていた。最初に現場の状況を聞いた社員の「勘違い」を解決することだ。

守秘義務として詳細は書けないが、事実だけ述べると「現場は混乱していた」「しかし絶望的な状況ではなかった」「だが声のでかい人間が『地獄だ』と言っている」だけだった。かなり被害妄想に陥っていたので具体的な改善があっても本人が呪詛の言葉ばかり吐き、チームの士気が下がっていた。この「勘違い」を改善するのが非常に大変だった。やったことだけ言えば端的にチームから離れてもらうというだけなのだが、社内外に勘違いから始まるあることないこと言われないように最大限丁重に扱って納得の上で離れてもらうことに成功した。しんどい仕事だった。救いがないのが、本人はいまだ勘違いしたまま誰に指摘されることもなく*1改善や成長の見込みがないまま今も仕事をしているということだ。人の実力の限界が見えてしまうのはいつも悲しい。 「勘違い」を認識させることは難しい。それこそ陰謀論にハマってしまった人やカルト宗教に入れ込んでしまった人を説得するのと近いのかもしれない*2。僕としては残念だなという気持ちもありつつ、今後も足だけは引っ張らないでほしいなという気持ちでいる。

*1:当初は僕も含め指摘する人間がいたが、全く聞き入れられないので指摘する人はいなくなってしまった

*2:ここで挙げた例の方がよほど深刻で難易度が高いとは思うが