ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

『殺人依存症』読んだ

最悪です。最悪も最悪。最悪すぎる。結構前から思ってるんだけど、フィクションの最悪は好きで楽しんでいつつその最悪がフィクションだから楽しいわけです。ただ、現実にはフィクションの題材になった最悪が起きていたりするわけでそういうとき僕はどういう顔をしていいのかわからない。「お前も間接的に現実の最悪をエンターテイメントとして消費しているだろう」と言われたら僕としてはそういうつもりはないけど事実として否定できない。僕はどうやって生きたらいいのだろうか。話が逸れました。最悪なお話です。

マジで事前の注意としてはお子さんがいる親御さんは読まない方がいい。僕は子なし独身だけど姪がいるので読んでて「こんなやつらがいたら自分の手で◯してやらないと、いや、◯すべき」と思いながら読んでました。事前に「救いがない」というレビューも見ていたし、櫛木理宇先生の本は読んだことがあった*1ので「容赦ない話を書く人だ」というのはわかっていたけど、それでも読み始めは「こんなの選ばなきゃよかった」と思うくらいに精神が削られてしまった。『さまよう刃』を観たときもかなり削られたけど、これもそれと同等以上にキツかったです。本当に。

息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめり込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか――。息をするように罪を重ねる女と、最愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。

なんというか別に謎解き要素があるわけではないので読んでいて「なるほどそういうことか」という感覚はそんなにない。なんなら初手で最終的な黒幕*2が出てくるし。とにかく最悪な状況を何度も見せられてひたすらに削られる。特に冒頭が一番キツかった。これからおおよそ300ページ物語を読むのかと思うとかなり気が滅入りました。お話のあらすじとしては上記の通りで、連続殺人の犯人を追うというシンプルな話ではあるんだけどなんせその連続殺人の描写がキツい。正直グロ系とかは耐性がある*3んだけど、人間の尊厳を損なう話は本当に心が摩耗する。摩耗なんてもんじゃなくド直球にぶっ壊しに来てるのかもしれないけど。主人公である浦杉もそうだし、その他の人間すべて救われない*4。ちなみに「衝撃の事実」については個人的にはそんなに?という感じだった。一応伏線回収ではあるものの、はあ、まあ、そうですか、って印象。この辺は人によって全然受け方が違うから僕の感想はあくまで僕の感想というくらいに考えてもらえればいいと思う。とにもかくにも胸糞悪いので読むときは自身の精神状態と相談の上読んでください。おもしろいはおもしろいです。

*1:片っ端から角川ホラー文庫を漁っていたときに『侵蝕 壊される家族の記録』を読んでた

*2:共犯がもう一人いるけどネタバレ的にそちらには言及しない

*3:一時期謎にスプラッタ小説ばっかり読んでる時期があったため

*4:点で見ると浦杉架乃は肉体的には救われはしたが