現実に起きた事件なのであまりコメントするのも気が引けるが、観たもんは観たので感想を書く。背景を調べ上げ衝撃の真実をドラマ化、という煽り文句だが、衝撃というほどのものはない。すると制作意図って「事件を風化させない」みたいなことなんだろうか。
「福田和子 14年と344日逃げ続けた女」
- 同僚の殺害動機がよくわからない
- こういう辺りが「衝撃というほどのものはない」という感想
- 旦那もしんどいけど従兄弟の旦那が一番とばっちり
- 子どもにとってはよい母親だった、というのが強く描かれている
- 身バレしては逃げ、の展開は現実で自分の身に降り掛かったらかなりしんどそうだった
- 端々から「人たらし」なんだろうなとイメージできる
- 逮捕前の居酒屋のシーンかなり緊迫感があってよかった
- この辺はフィクションゆえだから楽しめるんだろうけど現実だったらやはりかなりしんどい
- そして現実に起きた事件の話というのがかなりしんどい
- 解説で江川紹子が「福田は自分のことを友達かのように受け止めていたのが驚き」というコメントかなりストレートでよかった
「土谷正実 サリンを造った男」
- 90年代のあの異様な雰囲気はやはり当時の映像でしか出せないんだろうなと思った
- 再現映像では独特の異様さはあまり感じられない
- 社会全体がやけにハイテンションなのに鬱屈としている感じ
- テロリズム、到底受け入れらない手段だなと改めて感じる
- 改めて一連のテロや犯行をおさらいして「フィクションだったら現実味に欠ける」とNG出されるレベル
- それが現実に起きたということに戦慄する
- 弁護士一家殺害、松本でのテロ、被害者の会会長襲撃、地下鉄、すべて最悪だった
- 土屋の救出/隔離こそが「自分の居場所はもうどこにもない」と土屋に思わせてしまったの皮肉すぎる
- これは現在でも起こりうるし、カルトよりもっと小規模の集団でも起きうるから注意が必要
- 北九州や尼崎の事件とかがそれにあたる
- これは現在でも起こりうるし、カルトよりもっと小規模の集団でも起きうるから注意が必要
- 松本智津夫の再現度高すぎて怖い
「トリカブト 1時間35分のトリック」
- これだけ事件をちゃんと認識してなかった
- 「こんなことあったんだ」という感じで観た
- 2023年の感覚で観ると「そんなことする?」って印象
- 毒物の抽出/精製やトリックの考案など
- 失敗するリスクに対して考えなくちゃいけないことが膨大すぎる
- だが、科学捜査技術が未発達ゆえに「当時なら成功する可能性を信じられた」んだろうな
- 毒物の抽出/精製やトリックの考案など
- 被害者役の臨死シーンがかなり迫真の演技だった
- 記者と検死医のやりとりはかなりアツかった*1
- 当時の映像を観ても加害者が「本物のサイコパス」って感じで怖かった
- 「残念ながら2時間溶けないカプセルはない」のくだりを笑いながら言うあたりとか
- 獄中でも無実を訴えていたことから「まさか」と思う気持ちもありつつ「サイコパス」という言葉が頭をよぎる
やっぱり現実に起きた事件に対してはコメントできることが限られる。被害にあわれた方や、その関係者、御遺族に哀悼の意を表します。
*1:もちろんフィクションだから、という前提