ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

青崎有吾『体育館の殺人』読んだ

久しぶりにエンタメ全振りの現代ミステリ読んだ気がする。これといって理由があった訳では無いけどkindle unlimitedでジャケ読みした。結論よい小説だった。読んでる最中はアニメ化とかいいかもと思ったけど、アニメにする前に先に実写映画でやった方が合うかもしれない。

解説でも触れられているが、「オタク探偵」のエンタメ性はあくまでガワであって、内容は至ってまっすぐなミステリだった。幕間にて「ヒントは全部出てるから推理してみろ」と作者から挑戦状が出てくるのだが正直完敗です。全く読みきれなかったし、たしかにすべてのヒントは開示されていた。どう論理を組み立てるかすら検討がつかず、作者が「おすすめしない」と書いていた「動機から犯人を推測する」方法や「意外性の観点から犯人を推測する」方法、そのどちらも全く見当外れな読みしかできなかった。繰り返すが完敗である。客観的事実をひたすらまとめて解きにいけばもう少しにじり寄れたかもしれないけど、今となっては「もしも」の話に過ぎない。

アニメや漫画の元ネタ選びについては正直作中キャラの年齢よりも作者の執筆時点の年齢が頭をよぎるが、逆に「無理やり作られたオタク像」ではなく自然なものになっていたと思う。あと何故か向坂香織のキャラデザは常に池袋晶葉で脳内再生されていた。映像コンテンツに比べて書籍は一気読みできるから数が増えがちなのでなるべくバランスとっていきたい。