読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

『恋! ハレイション THE WAR』の衝撃

いまさらだが、マクロスΔを観た。abemaでひぐらし観てて、つけっぱなしにしてたらやけにかっこいい曲が流れて「あれシンフォギアってこんなに曲かっこよかったんだ」と思って画面をみたらシンフォギアじゃなくてマクロスΔだったというだけなんだけれども。で、タイトルが「マクロスΔ観た」じゃないということでお察しの通り、物語全体はそんなにそそられなかったんだけどとにかくこの曲が良かったので衝動で書く。

1話挿入歌 『恋! ハレイション THE WAR』

恋! ハレイション THE WAR

恋! ハレイション THE WAR

やけにかっこいい曲と思ったのがこの曲、『恋! ハレイション THE WAR』。物語内に登場するアイドル(?)グループ「ワルキューレ」が歌う曲。詳細な説明は正直僕もよくわかってないから以下wikiを参照されたし。

ワルキューレ

ヴァールに対処するために結成された、戦術音楽ユニット。キャッチコピーは「超時空ヴィーナス」。歌声に含まれる生体フォールド波の作用により、ヴァールの沈静化や予防を行う。物語開始時点のメンバーは4人であり、フレイアが新たに加入することで5人体制となる。楽曲がアイドルユニットのように豊富なのは、どのような曲がヴァールに効果的か試行錯誤しているためでもある[15]。 ワルキューレの歌は、ヴァールの発生を促進させるウィンダミア王子のハインツの歌とは正反対の効果を持っていることから、ウィンダミア側からは「穢れた歌」として忌み嫌われている。

wikipedia - マクロスΔ

なにがヤバかったか

最初にぐっと来たのがサビの違和感。サビの拍が取れないと思って聴き込んでいた*1らすっかりハマってしまった。

構成

意味わからん。イントロだけでも「アカペラ」「バンドサウンドぽい導入」「ストリングスとジングル」でとにかく目まぐるしい。そこからいきなりのサビ、サビは4つ打ち。後ろから追いかけてくるストリングスが気持ちいい。サビのラストでビートが抜けたらビートレスのままAメロ。Aメロ途中から2step風のビートが入り爽やかながらに疾走感を上げて、スネア2発入ったらBメロで4つ打ちが帰ってくる。デ・カルチャー。ビートに合わせて言葉をぶった切った歌を経て再びサビへ。サビを抜けたらブレイク、ブレイクはまたバンドサウンドっぽいドラムとストリングス、裏でしっかりシンセが鳴っててなにがなにやら。ブレイクからビートレスでサビ頭だけ歌ったらまたイントロのようなオペラ感のあるハモリ。ブレイク、Aメロ、また目まぐるしく展開して、Bメロの4つ打ちで意識が戻る。そのままサビへ入ったかと思ったらまたブレイク(Cメロというべきか)。ストリングスとジングルでサビに帰ってきたらストリングスは半音上げでアゲてくる。コールアンドレスポンスのサビアウトロを2回回したと思ったらさくっと曲が終わる。なんちゅう5分だ。特徴的なのはサビを回さず1回で次の展開に移るところだろうか。なのですごく曲のテンポ(BPMではなく、展開的な意味で)が早く感じる。何回も使ったけどとにかく「目まぐるしい」という言葉が一番しっくり来る。

内容はそんなに見てないんだけど、とにかくこの変態的な曲に合わせて言葉をはめるってだけで相当な仕事だと思う。特にサビ。ほんとどうかしてる。ましてや「デ・カルチャー」という重要な言葉をBメロの一番盛り上がるポイントにみんなで歌えるタイミングで仕込んでいるあたり天才の所業だと感じた。

発射直前 スリー ツー ワンピースひるがえしたら

みなぎる YA! 倍速エンジン

とかも言葉遊びがすごく上手くて、意味がどうとかはわからんが音へのハメ方が「作詞で飯食っていける人」の恐ろしさを体現しているように感じる。

のぼせて Screaming! もう止まらないの!


カンジて Diving! もう戻れないの!


溺れて Floating! もう夢じゃないの!

サビの歌詞3種を見てみたら、ここにも疾走感を演出するギミックがあったのかと驚いている。「て」「ing」の音の流れがなんでこんなに気持ちいいのか、専門家の方ならわかるんだろうけど、僕は学術的な裏付けを持ち合わせていない。だけど「のぼせて」「カンジて」「溺れて」で音が上に向かってあがっていって、「Screaming」「Diving」「Floating」でてっぺんから徐々に降りてきて、「もう」で小休止、そこから「止まらない」「戻れない」「夢じゃない」でだんだん下がっていく、この感じ。しかも言葉の意味として「止まらない」「戻れない」「夢じゃない」が認識されると疾走感が一切失われず、音は下がるし否定の言葉なのに勢いが落ちるんではなくて逆に駆け抜けていくような印象がぐっと頭に入ってくるところがすごい。職人芸だと思う。

音の全体感

マクロス全体的なバンドサウンドよろしくなところがありつつ、ストリングスの使い方とかビートの使い方がかなり現代的で、作編曲をしている姉田ウ夢ヤさんは本当に頭がちょっとあれな感じ*2の人なのかと考えてしまう。とにもかくにも構成が恐ろしい。何食ったらこんなの思いつくんだの連発で目が回るような怒涛の勢いも最後きちんと「収まった」感じがある。正体が気になるが、世の中にはわからないこともある方が楽しいということでいつの日か発表されるのを楽しみにしていよう。

アニソンの懐の深さ

聴いていて「あー本当にいい曲だなー」と思っていたのだが、これを現実のアイドルの曲として出すことができるのか否か気になってしまった。現実のアイドルの曲に使うにはあまりに構成が複雑すぎる。というか万人受けする手法を進んで取り入れていないように聴こえる。なので、アイドルという商売に適した曲なのかと考えるとなかなか厳しいものがあるのではないか、と思っていた。ところが、こと「アニメに登場するアイドル」であれば、まずはじめに「アニメ」というフィルターを通るので、こういった個性的/尖った曲が極めてすんなりハマるような感覚がある。あくまでアニメ内に登場する存在、という前置きがあるだけでこんなにもしっくりくるのだからアニメソングというジャンル(というか界隈)は非常に懐が深くて、音楽を発表/提供する土壌としてはすごく優秀なのではと考えてしまった。僕はアニソンでDJをしたことはないが、もし将来的にアニソンでDJする機会があったら『恋! ハレイション THE WAR』は必ずかけるだろう*3。おそらくそんなオファーはないと思うので実現しないと思うが。

*1:多分だけど実際拍自体はシンプル

*2:褒めてます

*3:あと『幸せについて私が知っている5つの方法』も