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ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

仕事と制作と

世の中には制作を仕事にしている方も多くいらっしゃるとは思うが、僕はそうではない。仕事は仕事、制作は趣味、このスタンスでずっと続けている。ここでいう制作は、僕の場合なのでトラックメイクだったり写真だったりするが、基本は対価はもらわずにただ作り続ける立場でいる。責任がつきまとうと自分を追い込みかねないからだ。

でもどちらの経験も双方に影響を及ぼしていると、些細なことで気がついたりする。仕事で決めた自分ルールなどはわりと制作においても同じ自分ルールを敷くことが多い。逆に制作時に着想を得たことを仕事に応用してみたりといったのも同様だ。

仕事→制作パターン

  • デッドラインを決める

とりあえず作り始めても、ある程度の段階まで仕上がってきたら「いついつまでに終わらせる」と決める。基本的に制作において「これで満足だ」となることが少なく、明日続きやろうと思ったらだいたいもうそこで熱が冷めている。であれば、極力熱いうちに鉄を叩くべく、今日中に終わらせると決めたらその日中に終わらせる。たとえ納得のいく仕上がりでなかったとしても。これで終わったら万々歳、終わらなかったとしたらボツ、終わらなかったけどさらによく出来そうだったら次のマイルストーンを設定してそこのデッドラインまでに終わらせる。作っていく上で一番辛いのは「形にならないこと」なので、きちんと作りきるなり、もうボツにして次に取り掛かるなりの判断をするためにこれは設定するようにしている。

  • なるべくログを残しておく

大概製作時には溢れ出んばかりの勢いにまかせて一気に作る。なのでそのタイミングで何を考えてそうしていたか、そうなったのかの記憶はほぼない。別にそれでいいといえばいいのだが、先ほどの

終わらなかったけどさらによく出来そうだったら次のマイルストーンを設定してそこのデッドラインまでに終わらせる

 をしようと思った時に、意外と使えるのが「前回時と違うアプローチをする」ということだったりする。そのため、前回のアプローチをログとして残しておくと「真逆のアプローチ」と「前回とその真逆の中間的アプローチ」を取りやすい。しかもそれでダメだったらすぐボツにすればいいから結果として無駄にかかる時間を削減することができる。

  • 細かくて面倒なことから終わらせる

面倒なことというのは大体において「後からやろうとするともっと面倒」になっている気がする。細かなパラメータとか気にせず制作に入りたいときも多くあるけれど、手癖的なパラメータは極力最初に設定しておく。そうしないと最後の最後合わせに行った時に「なんか思ってたような音が鳴らない」とか「グレーの抜け方がイマイチ」みたいな最後の譲れない壁にぶち当たったりする。なので面倒であとからどうにでもなると思えることでもとりあえず最初にやるようにしている。

制作→仕事パターン

仕事→制作パターンっぽく見えるかもしれないが、仕事でのアイデア出しと制作のアイデア出しは意外と後者の方が役だっている。仕事は仕事として頭が働くからどうにもロジックにとらわれることが多い。正攻法でアイデアをひねり出すと僕みたいな凡人ではどうにも月並みなものになってしまうこともしばしばだ。そうした時に別になんのロジックも思いつかなくてもとりあえず書き出してみて、その中で意外と親和性のあるものをピックアップした方が早い。そしてだいたい「これしかない」と思ったアイデアはそんなにすんなり通らない。正直これは仕事でも多く言われていたことではあるが、それが自分の身にリアルに感じられたのは制作をしていたときのフラッシュバックを感じたときだったので制作→仕事パターンだと思っている。

特に僕のようなサンプリングミュージックを作っていたり、写真を撮っている*1人間は「あるもの」をどういうアプローチで料理するかで生きているので、素材は多いに越したことない。

  • ダメだったら捨てる

自分が手をかけるとそれなりに愛着が湧いてしまうのが人間というものだ。たぶん。ただ、愛着で仕事がうまく行けばいいのだがそうとは言えないケースがあるのもまた現実である。そうした時に、いかに気持ちを切り替えて次に行くかで最終的な着地が大きく変わってしまうこともある。どれだけ気に入っていても、どれだけ時間をつぎ込んできていても、ダメだと確認が持てたら潔く捨てた方がいい。捨てたくないくらい愛せるものがあるのはいいことだが、それでも悔しさを胸に踏ん切りつけるというのも同じくらいいいことだと思う。

  • 一緒に作ることと一人で作ることはそれぞれ良いものがあると認識する

基本一人で制作していると、たまにどうしようもなく人と一緒に何かを作りたくなることがある。ただ、人と一緒に何かを作るということは自分には出来ないことができるようになる代わりにつきまとう面倒が2倍*2になる。当前だろうと思われるだろうが、意外と仕事としてやっているとそれを忘れそうになることがある。

「なんでこんなこともスムーズに終わらないんだ」と思っているときには、その裏で数々の「自分一人ではできなかったこと」が存在しているもので、主に「相手を尊敬して仕事を行う」ために役立っている。制作はやりたいことのぶつかりあいだが、仕事になるとそこにさらに個々人の思惑も絡んでくる。面倒でしょうがないことだが、それは避けられないし、そういった状況をいかに乗りこなしていくかを考える上で「相手を尊敬/尊重すること」は思っている以上に役に立つ。それを忘れないためにも「一緒に作ることと一人で作るの、どちらも良いものだ」とどっしり構えられるように意識している。

 

これといって偉業を成し遂げたわけではないので説得力こそないかもしれないが、拙い人生の中でも仕事と制作を行う身としてはこれからも忘れず双方からのフィードバックを活かしていきたいと思う限り。

*1:写真を撮るという行為は「現実世界(の光)をフィルム/印画紙にサンプリングしている」といっても過言ではないと思う

*2:あるいはそれ以上