ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

ただ、フィルムが好き。

写真の話。

 

最初に書いておくと(だからどう、って訳ではない)僕はフィルム派の人間だ。

理由は「フィルムが好きだから」。

正直フィルムで撮っている理由をいくら考えてもここに尽きる。

 

このmac bookにはもちろんphotoshopは入ってる。

ていうかlight roomも入ってる。

adobe写真家プログラムに感謝である)

なのでデジタル否定派では断じてない。

むしろみんなデジで撮ったらいいと思ってる。

だってランニングコストもかからないから挫折しにくいだろうし、

フィルムかさばるし、保管も気を使うし、

現像液は廃棄処理めんどくさいし、ていうか臭いし。

暗室に1日入ったら全身が酢酸臭にまみれるし。

 

でも好き。

何故か好き。

フィルムで撮ってる時の方が緊張感がーとか、1枚1枚の重みがーとか、

わりとそんなんどうでもよくて、ただただ好き。

 

なんのフィルムを持っていくか考えるのが好き。

装填するときにミスってないか心配になるのが好き。

巻き上げた時にフィルムが切れないかドキドキするのが好き。

想像と怠惰の間で露出を決めるのが好き。

シャッターを切った時の、手に残る感覚が好き。

1回1回巻き上げレバーを動かすのが好き。

巻き上げる音が好き。

撮りきって巻き上げレバーが途中でグッと止まる感覚が好き。

フィルムをパトレーネに巻き戻すのが好き。

ここでもひっかからないかドキドキするのが好き。

フィルムバックを開けた時のまっさらなパトローネを見るのが好き。

 

フィルムピッカーで引っ張りだすのが好き。

リールにフィルムを巻くのも好き。

現像液の温度を無駄なこだわりで調整するのが好き。

タンクに現像液を入れる最初の一瞬が好き。

撹拌して気泡を抜くのが好き。

ただただ待っているのが好き。

ここぞとばかりに停止液を流し込むのが好き。

慌ただしく定着液を流しこむのも好き。

定着でミスると焼くとき泣くぞと怖くなるのが好き。

水洗中にタバコを吸いに行くのが好き。

フィルムの色がスカッと抜けているのを見るのが好き。

クリップでフィルムを挟むときのパチッて音が好き。

一直線のフィルムからスポンジで水を取るのが好き。

乾燥機がゴウゴウ言ってるのをぼーっと聞くのが好き。

ハサミを入れて、ネガシートに入れていく時のドキドキも好き。

 

暗幕をシャって開けるのが好き。

ネガキャリアにフィルムを入れるのが好き。

真っ赤なセーフライトからプレビュー状態にした時のワクワクが好き。

引き伸ばし機のピントをあわせるのが好き。

バットに薬液を流しこむのが好き。

段階用に印画紙を切るのが好き。

イーゼル印画紙を挟むのも好き。

段階を取るのが好き。

ストレートで焼くのが好き。

フィルターを入れて焼くのも好き。

現像液の中で画が浮かび上がるのが好き。

時計を見ながらそわそわするのも好き。

定着に入れたら、印画紙の箱をちゃんと閉めたか確認してから明かりをつけるのが好き。

露光時間を考えるのが好き。

試行錯誤して決めた時間で、てんで話にならないプリントがあがるのも好き。

今日は1時間だけ、と決めておきながら結局半日くらい暗室に入っちゃうのが好き。

水洗してる間、水の中でふわふわ漂っている印画紙を見るのも好き。

水から上げて、乾燥にもっていく時の重みが好き。

明日には乾いているかな、って思いながら後片付けをするのが好き。

引き伸ばし機の電源を切る時の感覚が好き。

 

プリントを見て、一喜一憂をするのが好き。

思ってた階調が出てなくて落ち込んだり、思ってもみない階調が出てて、

すぐに誰かに見せたくなるあの一瞬がたまらなく好き。

 

板に張ったり、額に入れたり、

写真を「作品」にしてあげられた時が好き。

ボツをゴミ箱に放り込むときも、それまでの工程があるから好き。

 

何度考えてもやっぱりフィルムが好き。

いままで撮ってきた作品を見ると写真は僕のことがあまり好きじゃないみたいだけど、

それでもやっぱり写真が、フィルムが好き。