ときどきDJ

ときどきDJをやっているIT系の人の殴り書きです。

持ち手の取れたマグカップと人間関係は似ている

先日ぼーっと考え事をしながら皿洗いをしていたら、普段使っているマグカップを落としてしまった。幸い粉砕はしなかったが、きれいに持ち手の部分がポキっと取れてしまった。新しいものに買い換えようかと思ったが、長く使っていて愛着もあるし、つい先日茶渋を綺麗さっぱり落としてピカピカにしたばっかりだったため、なんとか直せないかなと考えて木工用ボンドで持ち手をくっつけてみた。きれいに取れてしまったのが幸いして、くっつけるのは容易だった。数日かけてボンドを乾燥させて、さーて復活したからまた使えるぞと思ってコーヒーを注いでみたのだが、自分でも驚くくらい「持ち手を持つのが怖くてカップ部分を持ってしまう」という状況に陥った。せっかく持ち手を付けたのになぜだろうと考えてみたところ、「熱いコーヒーを入れている状態でふいに持ち手が取れたら危ない」と思ってしまって持てないのだと気がついた。一度持ち手が取れるまではそんなこと考えたこともなかったのに、「取れた状態を知っている」と「また離れるかもしれない」という恐怖が生まれるのである。と、したところで、これって人間関係に似てるなと思った。

一度離れてしまうとなかなか不安が拭いきれない

人間関係にもいろいろなものがある。例えば家族や恋人、例えば友人、例えば仕事関係。一番わかりやすいのは恋人との関係だろうか。一度浮気をされると、なんでもないようなことでも「もしかしてまた浮気をしているのではなかろうか」と不安に思ってしまう、こういうことはままあるだろう。取れたことのないマグカップの持ち手と同じで、人間関係も「一度離れてしまうとなかなか不安が拭いきれない」のだ。

友人においてもそうかもしれない。一度仲違いをしてしまうと、些細なことでも「あれ、また怒らせたかな?」とか「またああいうことしてきやがったな」とか思ってしまうこともあるだろう*1。なにかしらの「心の距離が開いた状態」を知ってしまうと、ふとした瞬間にまた同じことが起きているのではないかと想像してしまう。

仕事の人間関係でも同じだ。一回不義理を働けば「そういうことをする人だ」という印象を相手に持たせてしまうし、失敗をすると「あの人はこういう失敗をしたことがある」という記憶が残ってしまう。これは当然なことだろうと思う。

だけど強固に付いたものは大きな信頼に変わる

ただ、「離れた状態」を知った上で、それを乗り越えた経験を持てた仲というのは強い。漫画などで「土手で殴り合って、結果親友になる」みたいな展開*2だ。雨降って地固まるという状況は実際にあると思う。恋人関係においてはまだ僕が未婚のため確証を持って言うことはできないが、友人関係/仕事関係であれば

  • 一度大喧嘩をしたあとにどちらともなく謝り合って未だに飲みに行く十数年来の友人
  • 大きな失敗をやらかした(当時僕は自分が悪いと思ってなくて揉めた)けど頑張って挽回してなにかあると仕事を振ってくれる信頼できる取引先

が僕の現実としてある。「離れたときのこと」を知っているから、相手が嫌がること/自分がされたら嫌なことがお互いわかっているので変な勘ぐりもしない。お互いがお互いのことを考えつつ、自由に言い合える関係ができる。強固になった関係は単純な安心感を超えて信頼へと変わるのだ。だから僕は、とりあえずアロンアルファを買いに行こうと思う*3

*1:そんな小さなことを気にするような仲は友人関係とは言わないのかもしれないが

*2:実際そんな漫画読んだことあるかと言われると特に無い気がする

*3:木工用ボンドは水溶性だから怖いんだよね

正論を言うのはタイミングが重要

先日のことだが、仕事をしていてすごく怒っている人がいた。怒ってる人が近くにいると精神衛生上よろしくないのでとりあえず怒っている理由を聞いてみたが、原因は「別の人がした仕事がよろしくない」というものだった。しかし話を聞く限り別に怒るような内容でもないし、ほとんど勘違いに近いレベルのことのようだが本人はどうにも許せなくて怒っているらしい。さてどうしたものか、さくっと経緯を整理して落ち着かせようかと思ったところ、どうやら怒らせてしまった人は正論で経緯を説明しているようだった。怒らせてしまった人が言っていることは正論だし、経緯も説明しているし、冷静に考えれば別に怒るようなものでもない。なのになぜ怒りが継続してしまっているのか考えてみたところ、「頭に血が登っているときには正論を言われても聞き入れる余裕が無い」状態に陥っているのではないかという結論に至った。

頭に血が登っているときには正論を言われても聞き入れてもらえない

人間は不安定な生き物なので、「感情の昂ぶり」というものだけで普段できている判断ができなくなることがある。さきほど「冷静に考えれば別に怒るようなものでもないのに」と書いたが、まさに「冷静に考えられない状態だから怒っている」のだ。ましてや気持ちが昂ぶっている時に真正面から正論を言われても「頭ではわかるけど気持ちが収まらない状態」になってしまうのではなかろうか。正直、こういうケースは自分にとっては心当たりがある。全ての人が自分と同じだとは思っていないが、そんなに特別な事例ではないのではないかと思う。

自戒を込めて、ではどうしたらきちんと相手の正論を受け止められるようになるだろうかを考えたところ、単純に「冷静になるまで待ってから話を再考する」のが一番効果的だと思った。感情が昂ぶってしまっている人がいたら、一旦は丸く収めて冷静になったタイミングで正論を言ったほうが遥かに効果がある。怒らせてしまった人も、相手が怒っていたら焦ってすぐに訂正しようとするだろうし、怒っている人の言っていることに反論をする場合だってあるだろう。しかし、相手の感情が昂ぶっているときに理路整然と話をしたところで伝わらないのであれば、まずは一言謝罪でも入れて落ち着かせてしまった方がいい。その上で相手が平静を取り戻したら自分がしたことの経緯や理由をきちんと伝えて、「気分を害してしまったのは謝るけどこういう理由だから自分のやったことを認めてほしい」と話をした方がきちんと状況を認識させられるのではないだろうか。

お互いの無駄な労力を削るためにもタイミングが重要

怒るという状態はエネルギー消費が激しい。ましてやそれに付き合わされる方は本来かからなくていいエネルギー消費まで被ってしまいかねない。水掛け論なんていうのは双方怒っている状態のようなもので、結果特になにも産まないのにひたすらにカロリーを必要とする。そんな無益なことにエネルギーを使うくらいであればまずは感情を落ち着かせるために力を使い、その後に状況を整理した方が前に進みやすくなる。もちろん、怒らせてしまった人は何も考えずに謝れというわけではない。自分がしたこと/言ったことが正しいことであれば、「言わない」のはかえって良くない。ただ、言うタイミングが重要というだけだ。

ちなみに

導入で触れた怒った人はお昼ごはんを食べたらだいぶ気持ちが落ち着いたようだったので、「あの人はこういう理由であの仕事をやったそうですよ、そしてあの仕事はああするのがむしろ正しい対応だと僕は思いますので、まあそんなに怒らないであげてくださいよ」と話を振ってみた。本人も思うところはあったようで、後ほど怒らせてしまった人のところに行って「僕もちょっと言い過ぎでした」と謝っていた。感情の起伏は激しいが、理性的に考えられる人でよかったなと思う。

春が来てる

今日、掃除して、洗濯して、料理して、仕事のことを考えながら喫茶店でボーっとして、とってもいい日だなと思って家に向かって歩いていたらすごくいい香りがした。上を見たら、近所の庭に梅が咲いていた。なんだか幸せだなと思った。

春がきて、花粉もきて、鼻をすすりながら、いい香りだなと思えるくらいにはまだ鼻が利いていることもわかった、充実した一日だった。*1

*1:たまにはこういうエモいエントリも書かせてくれ、日記みたいなもんなんだから

発信する人によって腑に落ち方が変わることについて

仕事をしていて「こういう考えだからここはこうしたいんだよね」とか「僕はこう考えてるからこういう風にやってほしい」と伝えてもいまいち反応が悪いことがある。うーむ、どうしたものか、考えが違うのか、などと悩んでいると別の何気ないタイミングでの会話で「○○さんがブログで書いてたあの考え方良いと思う」みたいな話が出てきて、「それ僕が言ったやつじゃん」とか思うことがしばしばあった。僕が言っても納得してもらえないけど、発信者によっては同種の意見でもすんなり腑に落ちるということがあるようだ。そんなことを考えていた。どうしてこういうことが起きるのか、もう少し考えておこうと思ってこれを書く。

発信者の信頼度が高い

僕が言う言葉は「僕」という存在から発せられた言葉なので、僕の信頼度が低いとその言葉も信頼してもらえない可能性がある。そして同じ内容であっても信頼出来る人から発せられた言葉だとそのままの信頼度で素直に腑に落ちる、ということは起こりうる。ゲーテは「人間は自分が聞きたい言葉しか聞かない」と言ったらしい*1が、まさにそういうことだろう。これは自分自身も注意しなくてはならないと思う。誰が発したかは情報としては重要だが、思想としては重要ではない。人ありきではなく、内容をベースに思考していきたい。

本当は伝わってない

「いやそれ僕がこの間言ったやつじゃん」と自分では思っていても、実際はちゃんと伝えられていなくて相手に上手く受け止めてもらえてないというケースも考えられる。以前も伝えないと伝わらないという話を書いたが、実際伝えたつもりになっていてもちゃんと伝えられていない状況というものはそんなに珍しいことではない。

tokidokidj.hatenablog.com

伝えることは一方通行ではなくて、「伝わること」を意識してないとなかなか上手くいかない。コミュニケーションは双方向的なやりとりなのでそのことを忘れないようにしたい。

実は違うことを言っている

「いやそれ僕がこの間言ったやつじゃん」と自分では思っていても(2回目)、実際は違う発信者が伝えている内容は自分がかつて発した内容と違うことを主張していてそれを「自分に都合よく解釈して勝手に憤っている」という可能性もある。これは先程の「人間は自分が聞きたい言葉しか聞かない」と同じで「人間は自分が伝えたいようにしか考えていない」とでも言えるだろうか。どうしても驕り高ぶりのようなものは発生してしまうので、過去に話しをした内容では不完全だったのにより質の高い情報が入ってきた時に「そうそう自分もそう思ってた」と勝手な解釈をしてしまうようなことの無いように気をつけていきたい。

結び

なにかを伝えようとして、伝わらないと悔しい。そして同じ趣旨のことを他の人が発信したときに伝わるというとさらに悔しい。だが、結果だけ見れば当初自分が意図していたことは達成できている。そう考えれば手段はどうであれ目的は果たせているのだ。まずはそれを喜び、ウジウジしないで前に進むことが重要だろう。そして今後似たような状況に陥らないために*2、「自分も同じ主張をしていたつもりだったがなぜそれが伝わらなかったのか、どこに問題があったからストレートに伝わらなかったのか」を相手と一緒に考える時間を持とうと思う。

*1:なお出典は不明なので本当かどうかはわからない

*2:やはり精神衛生上よくないため

rekordboxをPCDJと関係ないMIDIコンで操る

DJ機材のないカフェで「DJしてよ」と言われ、セッティングを考えていた。まあ僕はDDJ-RBを持ってるからそれ持ってきゃいいだろうとか悠長なことを考えながら。

tokidokidj.hatenablog.com

tokidokidj.hatenablog.com

全くもって間違えたことは考えてないと思っていたのだが、一つ考慮すべきことを忘れていた。スペースの問題だ。DJ機材がない場所なので、店内スピーカーにつなぐミキサー(ラックに入れてある)のそばには小さなテーブルしかない。お客さんもすぐ近くに座るのでスタンド*1を持っていくこともはばかられる。なによりDDJ-RB自体、コンパクトといってもそれなりに大きさがあるし、それに加えてスタンドを持っていくなんて非常に手間がかかる。詰んだ。

と思ったのだが、ふいに「PC(rekordbox)と小さなMIDIコン繋いで、オーディオインターフェースで音出せばいいんじゃね?」と思い立って試してみた話。ちなみに現在進行系で試行錯誤してるからまだ成功体験というわけではない。

KORG nano Kontrol 2

そう言えば何年も前にnano Kontrol2買ってクローゼットに入れっぱなしだったなと思って引っ張り出してみた。

KORG USB MIDIコントローラー NANO KONTROL2 ナノコントロール2 ブラック

KORG USB MIDIコントローラー NANO KONTROL2 ナノコントロール2 ブラック

もとはmac用のスタンドアローンソフトで一発録音をする際に細かくパラメータをいじりたくて買ったのだけど、キーボードショートカットをいい感じにアサインすることが出来たので買ったはいいが使うことなくしまったままになっていたブツだ。なんというお金の無駄遣い。そんなこんなでとりあえず小さなMIDIコン自体は所有していたので試してみることにした。

rekordbox側の設定

rekordboxはもとからMIDIコンをある程度(本当にある程度レベルで)サポートしているので、pioneer製品以外でも簡単にマッピングできそうだった。rekordbox 5系*2の画面右上、「MIDI」ボタンをクリックしてMIDI信号マッピング用のウィンドウを開く。まっさらな状態だと思うので、アサインしたいカテゴリのタブ選択しておもむろに「ADD」をクリック。突っ込みたい機能を入れたら「LEARN」をクリックして、MIDIコン側でアサインしたいノブ/フェーダー/ボタンを動かすとそれだけでアサイン完了。簡単!*3

注意

ここで一つ落とし穴があるとすると、MIDIコンを接続した状態でrekordboxを開かないとMIDI信号マッピング用のウィンドウ内のボタンが反応してくれない。また、単に接続されているだけではなくて、PC側でMIDIコンが認識されていないとrekordboxはうんともすんともいってくれないので必ずドライバ等をインストールしてPC側で認識されている状態で試して欲しい。

とりあえずアサイ

デッキ

普段は2chしか使わない(今回は4ch使おうか迷ってるのでまだ変更する可能性はある)ため、deck1と2は左から二つを使うことにした。とにかくplayとcueが使えないことにはどうにもならないのだが、nano Kontrolにはプレイボタンは一つ。仕方ないのでS(通常Soloボタン)とM(通常Muteボタン)をそれぞれplayとcueにアサイン。そしてフェーダーはチャンネルボリュームにアサイン。試しに動かしてみたところちゃんと動く!

テンポ

テンポスライダーはどうしたもんかと悩んだ結果、「やはりチャンネルと紐付いたところにあるものでコントロールした方が迷わないだろ」と思いたち、それぞれ上部のノブにアサイン。アサインしたときは「これだ!」と思ったが、結構イケてないので再配置する可能性が高い。テンポ合わせを全てrekordbox側のsyncでやってしまえばアサインしなくてもいいのだが、syncは結構鬼門だと思っているので手で合わせたいためわざわざアサインしておいた。

EQ

これには困った。なにせnano Kontrolのノブはそれぞれスライダー上部に1つずつしかついていない。これではどっちのdeckのEQがどのノブなのかわからん。しかし無いものを求めてもしょうがないので、「8個あるフェーダーのうち、左2つは既に使っているのでそれ以外の3つずつをそれぞれdeck1のhi/mid/low、deck2のhi/mid/lowにアサイン。我ながらイケてない!が、かつてあったvestaxのPCDJコントローラを使った時に「EQがフェーダーだと感覚がつかめなくてマジだるい」と思ったのでここは譲れなかった。

困ったので改善しようと思ったこと

とりあえず上記で必要最低限のアサインは完了したのだが、困ったことはやはり出てきた。なのでこれから次に上げる項目のアサインを踏まえて、再度マッピングし直すと思う。

GAINいじりたい問題

どれだけノーマライズされていても、元音が弱いとバランスが取れない。なのでGAINを使いたいがアサインしてなかった。一応PC上でコントロールもできるが、コントローラを触って片手でトラックパッドで操作、というのは無理がある。これはテンポにアサインしてしまったノブにアサインしなおそうと思う。

じゃあテンポどうする問題

ではテンポはどうするという問題にぶち当たる。一応左2つ以外のフェーダーにはなにもアサインしてないので、左から3番目がdeck1、4番目がdeck2という配置にしようかなーと思っている。

テンポの「ちょい調整したい」問題

あれなんていうんだっけ?タンテやCDJだと特に意識せずやってることだから何ていうのか覚えてないのだが、テンポがちょっとずれてるときに縁をスッとやってグッと「テンポを微調整するあれ」。送りと戻しがあるはずなのでどこかしらのボタンにアサインしようと思ってる。いまのところ考えているのはテンポをアサインしたフェーダーのSが送り、Mが戻り、とかかなと。名前が出てこなくてよくわからない文章になってしまったが、稀有にもこのエントリを読んでるひとには伝わるだろうと思いこむことにする。

試行錯誤の結果は改めてまとめる

最初に書いたとおり、これからやる現場に対しての準備なので「これやったら良かった」とかを共有するエントリではない。あくまで「このときはこうやろうと思ってた」の記録である。なので上に挙げた改善点をこれから直して試し、結果現場でどうだったかというところまでまとめようと思う。自分のためにだけど*4。なんにせよ機材をいじってるのはやはり楽しい。楽しくて全然関係ないことまでやりたくなってきてしまうから要注意だ。そして、さんざんここまでMIDIコンで操るという話を書いてきたが、肝心のオーディオインターフェースがいま手元にないので、それだけは別途購入せねば。また金欠だ。

*1:自室ではキーボードスタンドをDDJ-RB置きに使っている

*2:最近アップデートしたのだが細かなバージョンを憶えてないし、いま見るのめんどくさいから現時点の最新と思ってくれればいい

*3:きょうびLEARNくらい必要最小限の機能ではあるが

*4:なぜなら、普通の人はPCDJコントローラないしは対応CDJでやった方が絶対いいからだ

フィルターは掃除してきれいに保ちたい

今日掃除機をかけていて、なんだか吸い込みが悪くなったなあと思いフィルターを掃除した*1。フィルター部分を開けた途端に溢れんばかりのホコリの固まりを目の当たりにして、「気がつかないもんでもホコリは溜まるんだな」と実感したのだが、考えて見ればシーズンごとにエアコンのフィルターを掃除するときも同じことを考えていたことに気がついた。もっとも、掃除機のフィルターはもっと高頻度で掃除をするので今回ほど驚くことは少ないのだが。

そんな経験をした際、ふいに掃除機やエアコンのフィルターが詰まるのは日常普通に起きることだと思っていても「自分の思考のフィルターにも精神的にホコリが詰まっているかもしれないのでは?」と考えてしまった。

思考のフィルター

正確な表現を「思考のフィルター」というよりは「思考自体がひとつのフィルタリング」だと思う。人がなにかを考えるときにはなんらかのインプットがあって、それを自分の中で反芻していく作業(これが思考)を経て、最終的なアウトプットを行うではなかろうか。もしそうであれば自分という網目を持って何を通し何を通さないかを繰り返し行なっていることにほかならないのではないか、そう考えた。

精神的ホコリ

人間は不安定な生き物であると思う。世には「論理的思考」という言葉があるが、往々にして真に論理的な思考と言うものがどれだけ行えているかと考えると甚だ疑問だし、極めて論理的な思考が必ず役に立つ結論を出すとも思い難い。まあこの辺の話は論理学に踏み込まなくてはならないので時間がかかる上に意図しているところではないので省略する。考えていたこととしては「人間が思考する上でかかるフィルタリングに『無駄だ』と言い切れる前提や『不必要な考慮』などが挟まってしまう」ことが発生するのではないか、それは精神的ホコリと言えるのではないか、ということだ。

例えばわかりやすいところでいうと「機嫌が悪い」。冷静なときにはなにも気にならないようなことでも朝から機嫌が悪いときに同じ事象が起きたときにはなぜか冷静なときと同じ判断が下せないのではないか。「好き嫌い」も同じようなものだ。好きなものには多少分が悪い話でも乗りたくなってしまうし、逆に嫌いなものには話を聞いただけで拒否してしまうようなことが、まるでそれが自然だと言わんばかりに起きたりする*2。精神的なホコリが溜まり、本来であれば判断基準としては使えないような精神的なフィルターがかかってしまっていないか。そんなことを考えていた。

掃除機もエアコンも心もきれいにしておきたい

掃除機やエアコンは健康的な生活に直結する話題なので常にフィルターはきれいな状態を保っておきたい。そして同じく、心身ともに健康であるために精神的なフィルターも、心のホコリを溜めずにきれいにしておきたい、そんなことをふと思った。いま僕の立場は会社の方向性を決める責任のある立場だ。だからこそ自分の「無駄な」フィルタリングをせず、真摯に、聡明に、判断を下せるような状況をきちんと作っておかなくてはならない。そんなことを考えた平日の夜だった*3

*1:我が家の掃除機は紙パック式ではなく水洗いできる専用フィルター式

*2:まあそれが自然なのかもしれないけど

*3:予約投稿にしてるので書いてるのは夜

納豆を楽しむ

納豆が好きだ。単純に食べ物として好きだし、つまみにもなる。しかも身体にもいい(し、酒飲みの身体にもいい)。

tokidokidj.hatenablog.com

ということでわりと常食している納豆だが、通常の食べ方でも十分に美味しい一方でたまに違う味を試してみたくなるのが人間の業である。最近納豆の味付けバリエーションをいろいろ試しているのでまとめておく。

実際に試したもの

ごま油

news.cookpad.com

納豆に付属のたれを入れ*1て、ごま油を足して食すスタイル。上記cookpadレシピだとさらに中華だしを足すらしい。これはなかなかパンチがあってよかった。ごま油の香ばしさ大変な破壊力となって、米をどんどん消費していくのに一役買ってくれる。ただ、「朝食には重い」という人もいるだろうなという味。夜自宅で低コストにガッツリ食いたい!というときとかはすごく良さそう*2。個人的には朝食べても美味しいなと思ったが、二日酔いの朝には食べられないと思う。とはいえ美味しいのでおすすめの一つである。

すりごま

ごま油からそのままの流れでごまを足したときの話。すりごまが結構な量あったのでコンスタントに使わないともったいないなと思い、おもむろに納豆へ入れてみた。わりとビジュアルはこの世の終わり感があってどうしたものかと思ったのだが、味は非常に素直。ごまの甘みが際立つので、白米を消費するおかずと言うよりは小鉢に入って出てくると嬉しい、そんな感じの味になる。ほうれん草やいんげんのごま和えとかと同じような感覚だと思ってもらえればいい。ちなみに納豆の粘り気を結構ごまが持っていってくれるから少し食べやすくなる(完全に粘りがなくなるわけではないので注意)。食事のメニューもう一品に悩んだときなんかに試してもらえれば幸いだ。

ラー油

またごま油からの流れで試したもの。とりあえず手元にあり、かつ辛味があるから合わない訳無いだろうと安直な考えで試してみたが、完全に思ったとおり美味しかった。多少辛めのラー油を使った方が味にキレが出ていいと思う。僕はSBの唐辛子入りをよく買うのでそれを使った*3。多分唐辛子系の味の方が合うと思うが、興味本位で四川風ラー油(花椒が入ってるやつ)の方も試してみたい気持ちがある。ただ、ラー油納豆は気をつけてほしい点が一つある。ラー油を入れすぎると「納豆のような食感の食べるラー油」になってしまって、納豆を食べている感じが特にしなくなってしまう点だ。それはそれで別に美味しいんだけど、だったら食べるラー油とかの方が味のバランスもいいし、「納豆を楽しむ」のでなくなってしまうためご注意いただきたい。

オリーブオイル

これは目からウロコだったのだ。とてもおすすめ。納豆の粘り気が穏やかになり、なによりあの強烈な納豆臭がかなりフルーティになる。僕個人としては納豆の強烈な匂いが好きなのだが、部屋の中に充満したりするとやはり厳しいところもある。その点、オリーブでぶん殴ると「キツイ香り」が「納豆の香りがする」程度には抑えられる。米にかけて食べると「なっと、ん?え、あ、いや、いや納豆だな、うん、なっ、納豆、だ」みたいな感じでなかなか頭が混乱するのも楽しい。オリーブオイルの香りって直接摂取しても華やかですごいなと思う。僕としては香りの強いエキストラヴァージンで納豆と正面から殴り合わせるのがお気に入りです。

キムチ

うまいよそりゃあ*4。うん。超うまいですが匂いがすごいことになる。用法用量を守ってご利用ください。

ガラムマサラ

以前もつカレーを作ったときに買ったガラムマサラがまだ置いてあったので怖いもの見たさに挑戦してみた。

tokidokidj.hatenablog.com

ほぼネタとしてやってみたのだが、これなかなかポイント高いです。ガラムマサラのスパイス香が納豆の匂いとぶつからずに共存して、「エスニック納豆」ってアイテムが存在するとしたらこれだな、という味になる。カレー粉を使った方が直接的に食欲へ直結する気もするが、個人的には味は納豆、香りはカレー、すごく米が進んで食事が終わったあとあたりで「あれ、もしかして唇ピリピリしてる?」というあとから辛さに気がつくユーザ体験が気に入ってる。上に挙げたものはたいていもう有名になっているものだと思うが、ガラムマサラは今後大外勢として非常におすすめ。一本置いといてもそんなになくならないので他の味に飽きた時用として常備しておきたい所存。

使ったのは穀物酢。これも完全に興味本位だったんだけど、端的に言うと「おもしろい味」だった。まずくはないが、取り立てて美味しくもない。なにか他に理由がないと選択しないタイプのものだと思われる。ちなみに身体にはとてもいいらしく、「納豆 酢」で検索すると健康/美容関連の記事がたくさんあたる。

kaigo.news-postseven.com

とはいえ上述の通り、特に進んでこの味にしようとは思わない程度*5だと感じた。個人差があるからこれを美味しいと思う人も当然いるとは思うがそれは趣味趣向の違い、というだけだ。

ポン酢

これはある意味勝利が約束されている味だと思う。悪くなる気がしない。結論としては大変美味しく、かつ酢をそのままぶち込むのに比べて非常に塩気と酸味のバランスが取れた味になる。特に夏とかにはいいと思う。納豆菌が熱に弱くアツアツのごはんに乗せない方がいいという記事をいろいろ目にしてきたが、夏場は冷や飯にポン酢多めとかにするとすごい食が進むんじゃないかなと思う。納豆臭さはある程度残りつつ、酸味を纏ったシャープな塩分が食欲を掻き立てるまさに「納豆を楽しむ」という感覚にさせてくれる。すだちとか絞ってみたり、ポン酢もシークワーサーポン酢とかにしてみたらさらに化けそうな予感のする高ポテンシャルメニュー。

めんつゆ

これも同じく負ける気がしないタイプのものだった。ただ、結論から言うとポン酢のような勝利感はなく、オリーブオイルのような大外感もない、「まあ普通に美味しい」というレベルだった。めんつゆの力量次第なところはあるが、味がもともと付属のたれに近いため「いっそ醤油とか入れた方が普段と違う感出るんでは」とか思ってしまった。納豆において付属のタレがないケースなどで「普段の納豆が食いたい」と思ったらめんつゆを試せばいいと思います。特筆することなし!

今後試したいと思っているもの

このあたりがいいかなと思っている。基本「ある程度塩分が確保されている」「納豆よりも主張しすぎにはならなさそう」なものを挙げたつもりだ。調味料は¥100とかで買えればすぐ試せるのだが物によっては高額になってしまうので財布に影響がないタイミングを伺って試していこうと思う。ちなみにしばらくの間はオリーブオイル×キムチという反則技で納豆を食べていく所存。

*1:僕は付属の辛子も入れる

*2:僕、朝しか食事しないんだけどな

*3:これは言うほど辛くもないけど

*4:別に書く必要ないなと思いつつとりあえず書いておいた

*5:わりと酸っぱいものが好きでとりあえず何にでも酢をかける僕でも「別に美味くもまずくもない」というくらい